悲しみを止めて

ハナミズキがあちこちで花を咲かせる季節になりましたね。先日、桜ヶ丘のライフの近くにあるお蕎麦屋の家族庵さんの前で白いハナミズキが花を満開にしているのを見かけました。

私は薄ピンクや濃桃色よりもどちらかというと、この白いハナミズキが好きです。何もかもが鮮やかに花を咲かせ始めるこの時期に、あえて肉厚の白い花びらをしっかりと開く姿に、何か潔さと芯の強さのようなものを感じるのかも知れません。

ハナミズキと言うと、

僕の我慢がいつか実を結び、果てない波がちゃんと止まりますように、君と好きな人が100年続きますように。

一青窈の有名な曲、『ハナミズキ』が頭に浮かびます。これは何を歌った曲なんでしょう?何時歌詞を聴いてもハッキリしません。でも、ちょうどこの曲が出る少し前に、9.11アメリカ同時多発テロがあり、犠牲者を悼み、憎しみと報復の連鎖を断ち切ることを願う曲ではないかという意見もあるそうです。

確かにそうした身近な愛する人に果てない想いを寄せる普遍的な感情をこの曲から感じますし、ハナミズキが日本の桜と交換にアメリカから日本に贈られてきた、という由来からも想起されるのかもしれません。

世界的に終わりの見えないコロナウィルスとの戦い、遠くミャンマーでは国軍が武器をもって国民を何百人と殺害するというような、耳を疑うニュースが飛び込んでくる、何時もと違う今年の春です。だからこそこの清々しい純白のハナミズキに、強い意志の在処を感じ、惹かれるのかも知れません。

黄金の衣

満開の桜が、チラホラと散り始めましたね。薄紅の花びらが舞い散る中を歩いて家にたどり着いたときに、髪や洋服に花びらがついているのを見つけるもは、日本に住む私たちに与えられた至福の時間だと思いませんか?

今日桜南公園の前を通りかかりました。桜にある南小学校の前にある公園です。道路に沿って大きなクスノキが並んでいます。いま、クスノキは古葉を落とし、新葉が枝先から一斉に芽を吹く時期です。クスノキのような常緑樹は、一年中葉を付けていると思われていますが、決して落葉しないわけではありません。この時期、古い葉をふるって新芽を吹き、新陳代謝が目に見えるカタチで行われます。クスノキは新しい葉が黄色か黄緑の若々しい色で柔らかく、日光に照らされてキラキラと輝く様子は、まるで樹全体が黄金の衣をまとったように見えます。

日を浴びて輝くクスノキの新芽
木の足元はちょうど入れ替わるための古い葉がたくさん落ちています。

側溝のパンジー

昨日、桜が丘のサンディ近くを歩いていて見つけました。側溝に咲くパンジーです。可憐で、逞しく、バイオレットの華やかさとも相まって独特の存在感を放っています。近くの植え込みや庭からのこぼれ種でしょうか、想像するとほっこりします。